ぼくの友だちデイビッドの頭には、きれいな花が咲いている。デイビッドは、頭の花びらみたいにふんわりしていて優しい。みんなデイビッドのことが大好きだ。
ぼくたちはいつも一緒に遊ぶ。はしゃいだり、歌ったり。鳥の家族がデイビッドの頭に一か月もいた時は、おかしくってみんなで笑ったり。ところがある日、デイビッドの頭の花びらが一枚ずつとれていき、デイビッドは笑わなくなってしまった。おしゃべりもしないし、遊ばない。枯れ枝みたいなデイビッドの頭を見ながら、ぼくはいいことを考えた……。
いつもと様子がちがう友だちを見て、自分のことのように胸を痛める「ぼく」。決してその訳を問いつめるでもなく、隣にそっと寄りそいながら、自分のできることを考えるのです。こんな風に、相手の状況を想像し、共感することができたなら。その優しい気持ちは、きっとまわりの子たちにも伝わっていくはずです。
その子がその子らしくいるためには、どうしたらいいのか。この絵本に登場する「ぼく」を見ながら、色々なことを考えてしまいます。デイビッドの元気が戻ってきても、彼をずっと見守りつづける「ぼく」。それはきっと、「ぼく」にとっても、友だちが元気でいることが大切なことだとわかっているからなのでしょうね。
そんな二人の様子を、ふんわりと優しい絵で描き出すこの絵本。読む人みんなの心にも花がさくような、幸せな気持ちにさせてくれる一冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ぼくの友達デイビッドは、頭に花が咲いている。デイビッドは、ふんわりしてて優しいんだ。 ぼくたちは、いつも いっしょに遊ぶ。 でも、ある日デイビッドの頭の花が散ってしまい・・・。
「ぼく」は、デイビッドの頭に花が咲いていること、その花が散ってしまったこと、その訳は問わず、悲しそうな友達のために胸を痛め、どうすればいいか考えます。 相手の事情を想像し、その立場にたってみること。 共感すること、ともだちにやさしい気持ちで寄り添うこと。 これらを、ちいさな子どもにもわかるように描いた絵本です。
友だちの頭に花が咲いていたら。想像すると楽しいけれど、その人はどんな気持ちでしょう。
劣等感?優越感?どちらにしても、とても繊細な心の持主に違いありません。
この絵本は、そんな友だちをそのまま受けいれることの大切さをを描いています。
頭の花が散っても彼は彼です。
よく見ると、いろんな国や民族の子どもが描かれています。
障害を持った子もいます。
思いやりを持って、同じ人間であることを、感じさせてくれました。
小さい頃に伝えられると良いですね。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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