夏の夜、たくさんのかえるたちが鳴いています。種類のちがうかえるたちは、それぞれ鳴き声も違ってにぎやか。でも、そのうちの二匹の声が重なってしまったら、さあ大変! お互い、おおきなお腹を突き合わせて、かえるの意地の張り合い“けろずもう”の始まりです! ふくらませたお腹にまわしをつけて、しこなを呼ばれて塩をまいて、なかなか本格的なけろずもう。「はっけろ けろーい」の掛け声を合図に、バチィーン! と、かえる同士が体をぶつけあう激しい戦いが繰り広げられます。 どちらも譲らぬ取り合いの中、勝負を中断させる“ある邪魔者”がやってきて、さらにどうなる?
かえるたちのボヨンとお腹をぶつけあう姿や、くるんとした目玉でにらみ合う姿は、熱いバトルの最中もとってもユーモラスで、愉快に時にハラハラと、楽しく読み進めることができます。
また、登場するかえるは、かわいらしいながらも、それぞれの種類の特徴がしっかり描かれているので、一匹いっぴきの見ごたえもたっぷり。それもそのはず、作者のつるたあきさんはデビュー作『かえるじゃん』をはじめ、これまでの作品すべて「かえる」の、かえる絵本作家なんです。 見返しやカバーをめくった裏表紙には、出てくるかえるたちの紹介もあり、かえるや戦いが大好きな子はじっくり味わえて面白く、これまでかえるにあまり親しみのなかった子も、ユーモラスなかえるの姿に親近感を持て、いろいろな形で楽しめます。
激しいすもうにハラハラしつつも、急展開の後にはなんだかほのぼのとする結末で、読後感もやさしい、とっても愉快なかえる絵本です。
(徳永真紀 絵本編集者)
かえるとかえるがのど自慢。でもとなりで歌ったり曲がかぶったりしたら、「けろずもう」の始まりです! 「はっけろけろ〜い、のこった!!」の掛け声とともに2匹のかえるが真剣勝負。さて勝敗は、、、!? 本作では「カエル同士のけんか」という実際に起こる事象を人間の「おすもう」に見立て、ユーモラスなタッチでありながら妙にリアルな絵、シンプルでいて個性的な文、そして衝撃のラストまで目が離せません!
カエル好きな子にはたまらないのでは?と思いました。ただひとくくりに「カエル」なのではなく、たくさんのカエルの種類が描かれているので、そういうのをちゃんと知っているとワクワクすると思います。お話自体は難しくなく1歳くらいからでも楽しめる一冊です。 (ままmamaママさん 40代・ママ 女の子11歳、女の子7歳、男の子5歳、女の子2歳)
|