水平線のうえにひろがる世界。 うみのむこうへのおもいが次々に描かれていきます。 絵本が生みだす豊かな想像力。 自然と想像する力がわいてくる、こころがふるえる、そんな絵本です。
こどもが独り浜辺にたたずみ、水平線の彼方に思いを馳せる様子を描いています。毎度ながら五味太郎さんの豊かな想像力には驚かされます。
我が家では、海の向こうのお友達の顔をみて、「この子カッコイイねぇ」とか、「いじめっ子はいる?」と聞きながら読み進めると、息子が「この子!」と反応してくれるのが楽しかったです。遊園地のページでは、未来の遊園地を思わせるような夢のある遊具がいっぱいで、大人でも乗りたくなってしまいます。五味太郎さんらしいデフォルメされた動物たちは、とってもカラフルな配色で、さしろちさとさんの『ぼくはカメレオン』を連想します。僕の一番のお気に入りは、得体の知れないおばけたちのページですが、五味太郎さんのオリジナリティ溢れる、おばけ図鑑を見るようでもあり、思わず写し紙をあててなぞってみたい衝動に駆られました。初期の頃の作品は特に色が良いのですが、ストーリー性も機知に富んだ『海は広いね、おじいちゃん』もいいですねぇ。
ちなみに、「海の向こうにはなにがある?」と息子に聞いてみると、即答で「アメリカ!」と言いましたが、現実的な答えよりも、もう少し空想や妄想があってもいいのかなと思った父でした。
(伴門陶汰さん 30代・パパ 男の子6歳)
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