ちいちゃんがおばあちゃんの家で見つけたのは、古くなったくまのぬいぐるみ。
「おばあちゃん、おしいれに へんなのが いた」 「うふふ、なつかしい」
それはおかあさんが小さい頃、いつも一緒にいた"くまお”です。ちいちゃんがしっぽをひっぱると、大きな音を出しながら取れてしまいます。すると、中からきれいなビー玉が一つ出てきました。夜、ちいちゃんが寝る前に、ビー玉をころころと転がしていると、押し入れの方に転がっていきます。すると、すっと押し入れがあき、ビー玉はすいこまれるように中へ入っていきました。
「へんなの。だれか いるの?」
すると……。
ちいちゃんと"くまお”が出会い、ともだちになるまでのあたたかいお話、いやちょっぴり怖いお話? 楽しい中にも、うっすら背筋がさむくなるような感覚も同居する「ゆる怖」絵本。大きなふすまに広い押し入れ。ここには、おかあさんが小さい頃に使っていたおもちゃや思い出の品がいっぱい。古いミシンに扇風機、アルバムや絵具セットまで。おかあさんやおばあちゃんの世代には懐かしさ満点の古い家、ちいちゃんの目にはどう映るのでしょうか。ドキドキしながら楽しんでくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ちいちゃんがおばあちゃんの家の押し入れで見つけたのはくまのぬいぐるみ"くまお”。 それは、ちいちゃんのお母さんが小さい頃に遊んでいたぬいぐるみでした。 夜、ちいちゃんが眠ろうとすると、くまおが押入れの中から出てきて、ちいちゃんを遊びに誘います…。
あたたかい絵本の楽しさと背筋がちょっとさむくなる面白さのある"ゆる怖”絵本です。
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