おなじマンションに住むみどちゃんとのぶちゃんは仲良し。でも、のぶちゃんはときどきぷりっとすることがあります。
今日も遊んでいるうちにきげんが悪くなったので、のぶちゃんの家を出たみどちゃん。家に帰ってきて手提げを見るとびっくり! なんとのぶちゃんの大事にしているうさぎのピースケのぬいぐるみが入っていたのです。前にもまちがえて持って帰ってきてしまった時、「もうまちがえないでね!」なんて言われたことがあるのに……。なぜみどちゃんの手提げに、ピースケが入っているのでしょう。
みどちゃんが部屋から出ていくと、ぬいぐるみたちがピースケにつぎつぎに質問をします。 <なにがあったの? きかせて> <それは たいへんだったなあ> <……ここの なかまに なるのが いいよ>
その時、「ピンポーン!!」とインターホンを3回ならしてのぶちゃんがやってきました。 ハッとしてドキドキするみどちゃんとぬいぐるみたち。いったいどうなるのでしょう。
さっきまで仲良く遊んでいた友達が急にぷりっとしてしまって、どうしたかな? なんて気持ち、大人はもちろん、小さな子どもたちも感じたことがあるのではないでしょうか。みどちゃんの複雑な気持ちに共感する子も多いのでは? けれど、お友達と遊ぶってやっぱり楽しい! たかどのほうこさんの温かなユーモアが読む子どもたちをホッとさせてくれることでしょう。のぶちゃんがやってきてからの展開は、なんだか魔法を見ているかのようです。
個人的には、ぬいぐるみたちがにんげんのある習性について話す場面に、にんげんってそういうところ確かにあるかも……とうんうんうなずいてしまったり、ぬいぐるみたちにみんな名前があって、おしゃべりの内容にそれぞれの性格が垣間見えるところや、協力し合う温かな関係性に嬉しい気持ちになったり。
なんだかふしぎなことが起きた!?と思ったら、それはぬいぐるみたちだけが知っているひみつかも。そばにいるぬいぐるみたちを観察しながら、楽しい想像をどこまでも広げてみてくださいね。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
みどちゃんが家に帰ってくると、手さげに、のぶちゃんのぬいぐるみのピースケが! 「へんだなあ。きょうは ぬいぐるみで あそばなかったのに……」
みどちゃんは明日返すことにして、自分のぬいぐるみたちがいるカゴの中にピースケを入れました。 とたんに、ぬいぐるみたちのおしゃべりが始まりました。
<あれ、ピースケ、べそかいてる……> <なにがあったの? きかせて> ピースケはなぜここにくることになったのか話します。
それから、のぶちゃんがやってきて、みどちゃんもぬいぐるみたちもドキドキドキ……。 いったいどうなるのでしょう。
みどちゃんと、たまにぷりっとしちゃうマイペースなのぶちゃん、ふたりが大切にしているぬいぐるみたち……それぞれのふしぎでゆかいな時間が描かれます。
たかどのほうこが贈る、クスッとわらえてとびきり楽しい、ないしょのおはなし!
のぶちゃんのように自由奔放な子って確かにいますね。
思い立ったら自分の思い通りに行動する子、人の気持ちをあまり考えない子、人とのコミュニケーションが苦手な子。
こう思うと、のぶちゃんは障がい児かも知れません。
おもちゃのぬいぐるみも大変です。
家出してきたぬいぐるみの気持ちもよくわかります。
でも、結果オーライで良かったですね。
のぶちゃんの家のぬいぐるみたち、頑張れ。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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