たいくつな授業や会議の時間はとっても長いのに、楽しく遊んでいる時間はあっという間に感じたことはありませんか? それは私たちが、いつも同じように進む「時計の時間」とはちがい、伸び縮みしてしまう、「心の時間」を生きているから。「危険なときにスローモーションのようになる」「年をとると時間が早くすぎるようになる」といった現象も解き明かし、時間の謎にせまります。そして、なぜ人間にとって時間が大切なものになったのか、を考えます。
人が「時間」というものをどのように感じているかを、
いろいろな事例を出して説明してくれる本。
2014年刊行。
子どものころは、時間が長く感じていた。祖父母が「時間が経つのが早い」とよく言っていたのが、なんだか不思議な気がしていた。幼児の自分には、わからない世界。体験していないからだ。
大人になって、だんだんと祖父母の言っていたことがわかってくるようになった。仕事をしていたり、何かに夢中になっていたりすると、時間はあっという間。逆に苦痛でしかない状態の時は、時計が止まっているような気がする。
本書では、そういう感じで「時間」をどのように感じているかが、具体的にわかりやすく描かれている。
はっとしたのは、赤ちゃん〜老人までの絵が描いてある場面。人の一生をこのように並べてみてみると、1分1秒が実に貴重でかけがえのない、素晴らしく価値のあるものだとわかった。
大人になってから見ると、人生をどのように生きようかと、真剣に考えるきっかけになる一冊。
または、過去の事を思い出して、いろいろな思いが錯綜するかもしれない。
いづれにせよ、読み終わった後、私はことさら「一日一日を大事に生きよう」「自分にも貴重な時間であり、他人にも貴重な時間である」などと思い反省し、気合を入れ直した。
考えさせられる絵本。 (渡”邉恵’里’さん 40代・その他の方 )
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