<第5回日本絵本大賞受賞> <けんぶち絵本の里大賞・びばからす賞受賞>
クジラ・イルカ等の取材で世界的に活躍する海洋写真家・水口博也による、マッコウクジラの写真絵本。 少年のおじいさんは、勇敢なクジラ捕り。ふたりは小舟にのって海にでます。間近であがる水しぶき、メルビルの『白鯨』で、マッコウクジラに足を噛みとられた船長の話。少年は最初、クジラが怖くて仕方ありません。しかし、ゆっくりと雄大な姿で泳ぐマッコウを見ながら、マッコウがカチカチカチという音を使って暗い海の底でイカを探して食べるという話や、生態がよくわからないが故にクジラを恐怖の対象として乱獲してきたという話をおじいさんから聞いて、少年はクジラに惹かれていきます。そして、ついに少年は、白いマッコウクジラの子どもと出会い海に入ります。その優しい目に見つめられて、少年はクジラが怖いという気持ちから解放されます。 「深海の覇者」と呼ばれるマッコウクジラの写真は、北大西洋に浮かぶアゾレス諸島で撮影されたものですが、なかでも、白い子クジラが、エメラルドグリーンの海の中に浮かぶ幻想的な写真は、世界的にも珍しいものです。21世紀に向かってのクジラと人間の関係、さらに地球に生きる生き物の共生を考える、現代版『白鯨』といえる写真絵本です。
おじいさんと少年が何度も海に出て、マッコウクジラを観察している様子が描かれています。
クジラが息を噴き上げる音やカチカチカチというクジラの声を聞いたり、生臭いにおいを感じたり。
間近でマッコウを見ている二人の様子とクジラの動きに、臨場感があふれています。
こんなにも近くに船を出してクジラを見るのは怖そう・・・と思ってしまいますが、おじいさんの「どんなものでも、ほんとうの姿を知ると、こわくなくなるんだ」という言葉がずしんと響く、そんなラストでした。 (hime59153さん 40代・ママ 男の子7歳)
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