戦争体験を語れる最後の世代から、これからの日本をつくる世代へ。どうしても伝えたいことを、絵本にしました。
「日本は神国。絶対に勝ちます」と始まった太平洋戦争。 南方を植民地にして豊かになるはずが、暮らしはみるみる貧しくなり……たった4年で、大切なものも人も、いやおうなしに奪われていった田中幹夫少年の実話です。
「ぼくたちは、戦争のない国を作ります。きっときっと、作ります。」 そう決意した少年は、人権派の弁護士となり、子どもたちや障害者の味方になって、多くの裁判を闘ってきました。
戦争の絶えない21世紀、平和な日本を作るために、ぜひご活用ください。子どもばかりでなく、大人同士で語りあう素材としても役立ちます。
※紙芝居版『いくさの少年期』(京阪奈情報教育出版)も発売中です。
実際の体験を基にした体験記としての重みのあるお話です。
寮美千子さんが、絵本作成のために文章化されたことにも、この絵本の思いを感じました。
田中さんが小学校3年生の時に、太平洋戦争が始まったといいます。
「少国民」として目にした戦争は、恐ろしい現実と疑問だらけの現実の中で、田中さんに大きな影響を与えたことでしょう。
極力感情を抑えた記憶の描写だけに、戦争というものに踊らされていた国民の心理の、矛盾と葛藤を汲み取りました。
あの戦時下において、足の悪い子に合せてみんな一緒にゴールした徒競走のエピソードが印象的です。
思いやりの心を伝え、自らは戦地で亡くなった長谷川先生の姿が、この絵本を引き締めています。
こんなことがあったから、田中さんは弁護士への道を歩んだのですね。
小学高学年から中学生にお薦めの絵本です。
戦争を知らない大人たちにも、体感してほしい絵本です。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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