向きを変えて読む(さかさまにして読む)と、まったく違う物語と価値観が展開される、驚きの絵本! 対立しあう「火の星」と「水の星」。それぞれの言い分には、理由と正義があるのだが……。ルーペで拡大しても、新しい発見がある、超精緻な反転絵本。
火の星と水の星、と副題にあります。
漆黒の宇宙に上下に浮かぶ二つの星で同時進行で物語が進みます。
それぞれ平穏に暮らしていたのですが、
価値観の違いからすれ違いが生じるのですね。
火の星、水の星、どちらも自分たちのペースで穏やかに暮らしていますが、
一旦そのペースが乱されると、事態は悪い方向へ。
どちらも、自分たちを守るためにしているだけなのに。
何がいけなかったのか。
読者への宿題です。
金の星が逆さ絵になっており、それぞれの神様になるのが暗示的。
細密画のごとくたくさん描かれたそれぞれのアイテムには、
そこここにサブストーリー。
窮地に陥った双方の解決策は、少しヒントがありそうです。
なかなか哲学的な壮大な作品です。 (レイラさん 50代・じいじ・ばあば 女の子1歳、女の子0歳)
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