
小さな賢いオオカミは、もっと賢くなるためにもっとたくさん本を読みたいと思っていました。
とおいとおいやまのむこうに、「ちいさなかしこいオオカミ」がすんでいました。 森のみんなはわからないことがあると、オオカミのところへききにきます。でも、ちいさなかしこいオオカミは言うのでした。 「みんなにこたえてるひまはないんだ……」 ある日、王さまの重いやまいをなおすため、オオカミはお城へ一人で出かけていきました。お城はずいぶんと遠く、オオカミは迷子になってしまいます。 「ぼくって、みんながいうほど、かしこくないんだ。おうさまのやまいなんて、ぼくにはなおせっこない」…くたくたで、さむくて、足がいたくて、おなかがすいたオオカミを助けてくれたのは、森のみんなでした。 小さなかしこいオオカミは、もっとかしこくなるためには、森のみんなに教わることがもっとたくさんあることを知ります。 いまでは、みんながたずねてきても、いそがしくてひまがないとはおもいません。 もしかすると、まえよりもっとたくさん本を読んでいても。 ちいさなかしこいオオカミは、友達に教えたり教えてもらったりすることで、もっとかしこくなれたのでした。

自分の頭の良さを鼻にかけて、傲慢だったオオカミ。
そのオオカミがみんなに助けられて、自分を見つめなおす内容でした。
誰かに助けられるたびに、オオカミが少しづつ変わっていきます。
その変化が受け入れやすい優しい速度なので、読者の心に難なく浸透していきます。
読み終えたころには、独りよがりはいけない、周りの人や環境に感謝しなければ、と自然に感じています。
絵本ではあるけれど、難しい書物よりも大切なことを教えてくれている気がしました。
(めむたんさん 40代・ママ 男の子22歳)
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