
その子は自分の部屋の窓から空を見あげ、不思議なことがあるんだと問いかけます。
「空って みんなの空だよね」
誰の目にだって映る広い空。ぼくが見れば、ぼくの空。おじいさんが見れば、おじいさんの空。年齢も職業も関係なく、貧しい人にも、びくびくしているうさぎにも、空はどこまでも続いている。決して足りなくなることも、輝きが薄れることもない。
「だから おしえてほしいんだ」
彼は言います。どうして空はつながっているのに、大地は境目だらけなんだろう……。
イタリアの国民的作家ジャンニ・ロダーリが約60年前に書いた詩を、イタリア語翻訳家の関口英子さんが訳し、絵本作家荒井良二さんが絵を描き下ろし、今この時代にひとつとなって完成したのがこの絵本。
子どもの素朴なつぶやきとして書かれている詩には、シンプルで軽快な言葉の中に「人は誰もが平等であるはずなのに、なぜ争いがなくならないのか」という普遍的な疑問が込められています。
引き込まれるほど美しく鮮やかな色彩で荒井さんが描くのは、広く抜けるような青空であり、そこかしこに存在する空であり、包み込むような優しい空であり、誰もが忘れられない輝く空であり。けれどその先にわずかに見え隠れするのは、地上での戦いの気配や境界線でもあり。子どもの祈るような、鋭く切実な視線がまっすぐと私たちの心に刺さります。
この問いかけに答えが出るまでは。いつまでも読み継がれていって欲しい、深く心に残る一冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

空って みんなの空だよね。けっして たりなくなることなんかない。でも、どうして 大地は さかいめだらけなんだろう? イタリアの国民的な作家ジャンニ・ロダーリが軽やかな言葉でつづる、平和を問う絵本。荒井良二さんののびやかな絵が彩り、⼩さなこどもから⼤⼈にまで、より多くの人にとどく作品になりました。

あのね ふしぎなことがあるんだ・・ おしえてくれないかな
こんな ことばではじまりました
空はみんなのものだよね
本当に そらはどこまでもみんなの空
どんな人にも平等に なのに 大地は さかいめだらけなんだろう?
こんな疑問を投げかけています
今 世界では争いがあちこちであり 悲しい思いをしている人がたくさんいます
なぜ? 地球上では人が争うのか
空はみんなのもの こう言える世の中になってほしいという願いを込めてこの絵本を届けてくださいました
イタリアのチポリーの冒険の作者です
荒井良二さんの絵も力強く 伝えてくれます
考えさせられる絵本ですが 大切なものを伝えてくれています (にぎりすしさん 60代・その他の方 )
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