「戦争童話集」30年ぶりの新作「沖縄篇」 1995年から黒田征太郎が映像化してきた野坂昭如の「戦争童話集」。 黒田氏の強い思いに応えて野坂氏が30年ぶりに書いた新作を絵本として刊行。
繰返し読むほどに言い様のない悲しみが深まっていきます。
野坂さんの訥々と語る戦争は、ボディブローのように怒りに燃え、最後に哲夫がウミガメの卵を飲み、海に沈んでいくところまで鈍く響き続けます。
黒田さんの絵も、言い様のない怒りのベールの向こうで叫び続けているようです。
ウミガメから見た戦争が即物的に映り、哲夫の見た戦争は信じていたものの崩壊だったように感じました。
身近な出来事として実感したとき、本当の戦争の怖さを知るのかも知れません。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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