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信楽青年寮に住むダウン症の村田清司さんが描いたユニークで斬新な絵を、田島征三が構成し、お話を作った画期的な絵本。
この絵本の作られた経緯を知ると、この作品に込められた思いと素晴らしさが膨らんできます。
施設で働くダウン症の村田清司さんが描く絵は評判で、描いたハガキは売れ行き好調。
その絵を画集にしようと思った施設でしたが、思い通りには実現しそうにない。
そんな時、この施設と縁をもった田島征三さんと絵本にまとめる話になったのだと言います。
この絵本は村田さんの絵の素晴らしさと、田島さんの思いやりが結実した作品です。
一点一点の絵はつながりを持ってはいないのですが、話すことが得意ではない村田さんのメッセージがあふれているのです。
それを構成して一つの物語にした田島さん。
この話は田島さんの創作というよりも、村田さんの絵から溢れ出てくるイメージをつなぎ合わせてまとめた作品です。
白い国が色づいていくところ、いろいろな人々が登場するところ、お母さん友だち仲間の動物たち…、村田さんの望んでいる世界が広がります。
最後の方に村田さんが出したハガキが届きます。
言葉としては読めないけれど、何が書いてあるかは感じることができました。
心で読む絵本だと思います。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子14歳)
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