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一人前の騎士となったティウリは、盾持ちピアックとともにふたたび冒険の旅へ。みどりの男たちがひそむ森では、エヴィラン国によって新たな陰謀が企まれていた……。『王への手紙』の、息づまる続編。
行方不明だったティウリやベンドゥー騎士の友人、リストリディン騎士の居場所が後半になってようやく判明しました。
生きていてくれてよかったと思いました。トンケの本作品では、ふつうに主人公の知人友人たちが死んでいってしまうので、時に悲しくなります。
殺されるシーンは詳細には書かれていないのですが、生き残った者たちが回想と共に一言二言いなくなってしまった友への思いを語るシーンが何か所かあり、そんなところを読んでいると読み手のこっちもつらくなるのです。
この物語は騎士道(騎士が守るべき戒律や美徳)が重んじられ、時に善と悪とが混ざり合い、何が本当に正しい行いなのかわからなくなりそうになります。
それでも少年騎士(17歳)のティウリは、騎士として正しい行いをすべきとまっすぐに行動していきます。
その姿はとてもかっこいいです。
物語の後半では、ティウリの父「勇者ティウリ」も登場し、戦場に赴きます。毅然とした態度をとりつつも、息子の安否を心配している勇者ティウリもまた父としてかっこいいなぁと思いました。
最後はやや悲しい結末を迎えますが、エピローグでうっすら明るい未来の光が差し込んできたように感じました。
騎士の物語は、サトクリフが有名ですが、彼女の作品とはまた違った面白さがたくさん詰まっています。
ぜひ、手に取っていただきたい物語です。 (てんぐざるさん 50代・ママ 女の子23歳、女の子19歳)
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