中国少数民族の雄大なお話。ペー族の表題作では木彫りのりゅうが動き出し、プーラン族の「天地のはじめ」では太陽が谷底に転げ落ち…。他に「くじゃくひめ」「九人のきょうだい」など。
この中国の昔話を再話されたのが君島久子さんなので、
絵本になっている昔話もありましたが、どれをとっても大陸ならではの時間的にも空間的に広さを感じる昔話が多かったです。
跡が身を読むと、どちらかというと、これらのおはなしは大人向けの言葉で伝わってきているので、子ども向けに直すのが大変だったということですが、そこはさすが君島さんですよね。
とても読みやすく、理解しやすい言葉で翻訳されています。
挿し絵は絵本でよく組まれている赤羽末吉さんです。
なので、おはなしを読んでいると、赤羽さんの絵でその場その場の情景が浮かんできました。
本のタイトルの「白いりゅう 黒いりゅう」の話もいいですが、
わたしは
「天地のはじめ(ブーラン族)巨人グミヤーの話」が一番心に残りました。
題名通り、天地創造の物語でしたが、ただ作っただけでなく、いろいろ問題が起きてきて、それをグミヤーが鳥や獣たちとなんとか対処するところが面白かったです。小学校の中学年くらいから読めそうです。ぜひ、自分の目で読んで楽しんでほしいです。 (てんぐざるさん 50代・ママ 女の子19歳)
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