20世紀の初頭、イギリス、シリー諸島。厳しい自然の中、人々は質実にたくましく生き抜いていました。ローラは、難破船の救助に向かうボートの漕ぎ手になることを夢見る14歳の少女です。14歳の誕生日に難破船ジェネラル・リー号を見つけたことがきっかけで、ローラと家族は大きな試練のときを迎えます……。多感な思いに揺れる若い世代の胸に、そして人生の原点をもう一度見つめ直したい世代の心に、みずみずしい感動と幸福を贈る物語。
ザンジバルと名付けられた海ガメのいわれは、少年マイケルの大おばさんの大切な思い出の中にありました。
何だかとても悲しい記憶の中で、大おばさんローラの家族が崩壊寸前で助かったのは、難破した船で行方知れずだった兄弟のビリーが帰って来たことと、貧窮の家族が牛や物を獲ることが出来たこと。
それをローラは、自分が助けたカメの恩返しだと信じたのです。
重くて暗い話が最後に輝いた印象です。
モーパーゴの作品の中では地味な本だと思いますが、愛情こもった作品でした。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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