面倒見がいい長男、悪童の次男、ふたりの兄を優しく見つめる末っ子。父母を亡くし、それぞれにトラウマを抱えながらも困難をのりこえ、絆を深めていく3人の姿を鮮やかに映す。コレッタ・スコット・キング賞受賞作。
父を失い、母を失い、残された三兄弟の葛藤と心の成長がみごとに描かれています。
優等生の長男、ひねくれて悪に足を染めようとした次男、両親の死と二人の兄に対する引け目を感じる主人公の三男。
三者三様だけども、それぞれに親への愛情を感じます。
父の死も、母の死も事件のようにして描かれ、それに対する葛藤。
なんだかとてもメロウな作品ですが、ジャックリーン・ウッドソンの作品と知って納得しました。
『むこうがわのあのこ』、『かあさんをまつふゆ』、黒人の視点で、黒人の状況を描いてとても存在感のある絵本を書いています。
饒舌ではないけれど、どこか醒めた描写、複雑な状況、心理描写をコンパクトにまとめ切れていて、読後感はスッキリしています。 (ヒラP21さん 50代・パパ )
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