「北風と太陽」「ウサギとカメ」「アリとキリギリス」など,イソップ童話で語られているおはなしをまんがでわかりやすく紹介します。
紀元前6世紀、ギリシャに実在したアイソポスというお話の上手な人が語った小咄をまとめたのがイソップ物語だ、とか。
誰もが知っているだろう物語をギャグマンガの風景で表現した楽しい一冊。北風と太陽、ウサギとカメなど11話。
巻末には筆者の独自の見解「イソップお笑い芸人説」。
詳しい資料が残っていないが、イソップ氏は奴隷の身分だったそうで、娯楽の少ない時代に体を張って楽しい話芸を提供した素敵な人だったらしい。
物語の世界を楽しく演出するために、いろんな工夫がしてあって、漫画家の素晴らしい仕事が体験できる。2600年ほど前の世界と、2006年の現代を行き来するイソップ氏と共に、時代も地域も越えた普遍的な真理とギャグを味わえる。人間は結局、愚かなままで何一つ進化していないのかもしれない…とつくづく思う。たとえインターネットやスマホができて、女性が社会に出るようになって、国際的な活動が増えたとしても、個人の性質(例えばワガママさや、世間知らずなど)は同じ。だからこそ、今でも読み継がれているのだろうと、改めて思った。
時代も地域も違うと、話の内容が想像できないので、このように漫画やわかりやすい工夫がしてあると、非常に読みやすい。
子ども向けだが、こういう風に古典作品をわかりやすくしていろんな本をこの漫画家先生に描いてもらいたいっ!と心底思う。 (渡”邉恵’里’さん 30代・その他の方 )
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