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けんじが墓場でひろったのは鬼太郎のバットだった。必死でとりもどそうとするおばけチーム。命をかけた試合がはじまった。
水木しげるのおばけ学校(1) 1980年初版、2000年で第27刷。
・おばけの野球チーム
・妖怪学校 の2話を収録。
あとがきに、鬼太郎の生い立ちが紹介されている豪華な一冊。
墓場を歩いていた少年けんじが、落とし物と思われる野球バットをひろう。それは打者が思った通りに打てる妖怪バットだった。素晴らしい打者として有名になった少年は、ある日、枕元に鬼太郎が立ち、バットを帰してほしいと頼まれるが…バットをめぐり少年たちと妖怪のチームが野球の試合をすることになった。
「はかばをあるいていると、きもちがよくなり…」という最初の描写が妙におかしい。実は私も墓場を歩いていると、なんだかすがすがしい気持ちになる時がある。特に、都内では谷中霊園など、巨大な「公園」と言っても差し支えないような墓場があり、歩きやすいこともあり、小春日和に散歩すると最高である。
そんな時に、妙な落し物があったら…拾わないけど、きっとこの話を思い出すだろうなあ。
2話収録されているが、いずれも小学校の少年が主人公になる話で、少年のズルさやイタズラ心が大変な事件を引き起こす。
イタズラはほどほどに。
2話目の妖怪学校では、極端な思想を持っている妖怪の先生がイタズラにたけた生徒を立派な妖怪に要請するという迷惑な授業を、頼まれもしないのに行っている。
イタズラを戒めるという意味もあるかもしれないが、私はむしろ、暴力教師が暴走している学校という、危険な状況を連想した。
この作品が書かれた80年代、私は小学生だったので、この手の暴力教師はまだまだ現役だった。今は、体罰の問題で、わかりやすい暴力は減ったらしいが、実際、変な考え方を生徒に無理強いする大人はまだまだいるのだろう、と、私は思う。
昭和の時代を感じさせる描写ではあるが、扱っている問題は現代も十分通じるものだ。
スゴイ話である。 (渡”邉恵’里’さん 30代・その他の方 )
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