お母さんが夜寝る時に話してくれるのは、おばけの兄弟さくぴーとたろぽうの一家のおはなしです。あらあら、このおばけたち。なんだか、とてもほのぼのして可愛いらしいですね。緊張感なんてなくて、力が抜けてきます。
おばけの生活は、昼と夜が逆転。だから、さくぴーとたろぽうは夜起きて、ご飯を食べて、みんなが寝る頃に保育園に向かいます。そして、お父さんの仕事は人を脅かすこと、お母さんは買い物やお料理。なかなか忙しそうですね。そして、みんながやっと朝起きた頃、さくぴーとたろぽうは家に帰ってくるのです「ただいまー。」
今、おばけたち一家は何やってる時間かなぁ…なんて考えているだけでおばけと友達になれた気分。想像が膨らんでいきます。コワイなんて言葉はひとつも浮かんできません。だってさくぴーとたろぽうも、おばけの保育園にいるみんなも、可愛すぎるんですもの。これは親にとってちょっと困りものかもしれません。なかなか寝ない子に「早く寝ないとおばけの時間になっちゃうよ」と言っても…こんな風に返事しちゃいますよね。
「一緒にあそびたーい。」
こんなおばけ一家がいたら、私だってそう答えちゃいます。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
さきちゃんとたろうくんが、夜なかなか寝ないと、お母さんが「もうおばけの時間よ」と言います。そうなんです。おばけのさくぴーとたろぽうは夜起きて、ご飯を食べて保育園に行くのです。おとうさんおばけの仕事は、人をおどかすこと。おかあさんおばけは、市場で買い物をして、くものすスープやどくきのこサラダを作ります。人間の暮らしと対比させて、おばけの家族の暮らしを愉快に詳細に描きます。
おばけは怖い・・でもちょっと気になる、年少の娘に読みました。
保育園に行っていて、下に弟がいるので、自分と重ねてみられるのもよかったようです。
子どもたちの寝相が悪いところや、お父さんがビールを飲んでいるところなど、なにげない日常生活も共感できるところが多く、親も読んでいて楽しめる1冊です。
人間家族の家のネコがおばけマートに来ていたり、文章にはでてこないストーリーが隠れていて、絵をじっくり見るのも楽しいです。
この本を読んでからは寝るとき部屋を暗くして「これからはおばけの時間だよ」というと納得したように寝てくれるようになりました。 (ぺすけさん 30代・ママ 女の子3歳、男の子0歳)
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