エルフィーとぼくは一緒に大きくなった。 世界で一番素晴らしい犬、エルフィー。
エルフィーのあったかいお腹をいつも枕がわりにし、毎日一緒に遊び、一緒に夢を見た。お兄さんや妹もエルフィーの事が大好きだったけど、エルフィーはぼくの犬だったんだ。
いつしか時が経っていき、ぼくの背がぐんぐん伸びる間に、エルフィーはどんどん太っていき、寝ている事が増え、散歩も嫌がるようになった。老いていったんだ。ぼくは、やわらかい枕をやって、毎晩かならず言ってやった。
「エルフィー、ずーっと、だいすきだよ」
ある朝、目を覚ますとエルフィーは死んでいた。家族はみんな悲しみにくれていたし、ぼくだって悲しくてたまらない。だけど、いくらか気持ちがらくだったんだ。だってそれは……。
愛するペット、愛する家族との死別。それは、小さい子どもにも大人にも、平等にやってくる逃れられない悲しい出来事。がんばって乗り越えることなんてできないけれど、でも気持ちを和らげてくれる方法はあるのだと、この絵本は伝えてくれます。
「だいすきだよ」
そう思っているなら、いつでも伝えてあげたい。言わなくてもわかる、たとえそう思っていたとしても。簡単なことなのに、なかなか気が付けないこと。だからこそ、この絵本の存在はとても大切なものだと感じるのです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
エルフィーとぼくは、いっしょに大きくなった。年月がたって、ぼくの背がのびる一方で、愛するエルフィーはふとって動作もにぶくなっていた。ある朝、目がさめると、エルフィーが死んでいた。深い悲しみにくれながらも、ぼくには、ひとつ、なぐさめが、あった。それは……
読者のみなさまへ 作者のハンス・ウィルヘルムさんは西ドイツに生まれました。現在、アメリカ合衆国のコネチカットに住んで、絵本の仕事に専心されています。 「ずーっと、ずっと、だいすきだよ」で語られるテーマは、大変美しい考え方ではないでしょうか。相手が、人間だろうと動物だろうと、愛するものに対して、心のありったけで、「愛している」と告げてあげよう、それは、日びの暮らしを暖めて、幸せにしてくれる、そして、やがてやってくる「死」をいたずらに嘆くことなく、愛の思い出が悲しみをもいやし、なぐさめをもたらしてくれるだろう、というのです。 お子さまにどうか、人や動物に愛を注ぐ心のたいせつさを、教えてあげてください。
書店で読み、思わず泣いてしまいました。
愛犬との生活、そして亡くなった後の心境が、
きれいな色彩で優しく描かれています。
動物とお別れをする時、どうしても
「ああしてあげた方が良かったかもしれない」
「こうしてあげた方が幸せだったかもしれない」
と、後悔が残ります。
どちらを選択しても後悔するのは分かっているのですが、
いなくなると必ず、そういう想いが押し寄せます。
いなくなった現実を受け止めきれなくて、
自分を責めてしまいます。
会話のできない動物だから、
長生きをしてもらう方法を考えること、
相手にとっての幸せを探すことは とても大切だと思います。
けれども、もしかすると それよりも大切なことは・・・
この男の子のように、
だいすきだよって、言葉にして伝えること。
きっと、それが一番大切なんだと思います。
今まで一緒に暮らしてくれた子たちに、
だいすきだよって 伝えたくなりました。 (なーお00さん 20代・その他の方 )
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