ハリー・ポッターシリーズの最終巻、第7巻で登場する、魔法界のおとぎ話集。
最終巻執筆後に書き下ろされ、私家版だったところを、登場人物の解説つきという豪華版で再編集された単行本です。
最終巻で重要な役割を果たす物語だけに、読む価値はあります。
ダイレクトに引用されている「三人兄弟の物語」はもちろんのこと、
その他の物語も実に滋味深いです。
最近イソップ寓話を再読していただけに、これらのおとぎ話の存在感を痛感しました。
尾木ママとして有名な教育評論家の尾木直樹さんのインタビュー記事を読んで
「リラックスしている時=バラエティ番組での発言が、教育関連本を執筆するより率直に伝わる」
といった意味にハッとさせられたことを思い出しました。
つまり、子どもに伝えたい教訓のようなものは、説教するよりも
おとぎ話のように語ることで伝わりやすい、ということ。
だからこそ、おとぎ話は伝承されていたのではないでしょうか。
とすると、おとぎ話には、いにしえの人々の教訓が脈々と込められているのではないでしょうか。
ということで、この『吟遊詩人ビードルの物語』には、
ローリングさんが作りだした魔法界の教訓がたっぷり詰まっているように思えました。
実際、「三人兄弟の物語」には核心のテーマが取り上げられています。
ハリー・ポッターシリーズを読んだ方にはもちろんのこと、
読んでいない方も、ネタばれもされずに、十分楽しめると思います。 (レイラさん 40代・ママ 男の子17歳、男の子15歳)
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