恥ずかしがりやで、なかなか外国語を話そうとしない日本人。上手でなくても、まず自己流で話せばいいのに・・・という作者の主張からこのお話は生まれました。ちっちゃいかえるは池の外へ出て、初めて動物がそれぞれの鳴き声で鳴くことを知ります。それから池に戻って、自信をもって自己流で鳴きます。このシーンではちっちゃいかえるが大きく描かれます。すると、他のかえるや動物たちが温かく迎えてくれました。月齢の低い子どもを応援してくれるような、温かな絵本です。
コロンビアから10年前に来日した作者が、自分の日本語で話せるようになるまでの気持ちを思い起こして書いた作品だそうです。また、外国語を勉強しようという意欲はあっても、なかなか実際に話そうとしない、完璧主義?恥ずかしがりや?の日本人にあてたメッセージもこめられています。
ということは、作者の言葉を読むまでわかりませんでした。まなんだか、エリック・カールの「だんまりこうろぎ」に似ているなあと読み始めたのです。でも、かえるが泣けるようになるきっかけはちがっていました。みんなちがう鳴き方をしているんだから、自分は自分のなきかたでいいんだと悟ったからです。
5歳の娘には、この作者のメッセージは伝わりません。彼女はかえるさんの鳴く話としか捕えていないでしょう。コラージュの絵と動物達の表情をじっくり楽しんでいました。 (えっこさん 40代・ママ 男の子12歳、女の子9歳、女の子5歳)
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