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夕暮れの情景から、おだやかな寝息が聞こえるまでを、ABC…にあわせて静かに語った、心安らぐ「おやすみの絵本」
マーガレット・ワイズ・ブラウンは、42歳の若さで1952年に亡くなったのですが、実に100冊以上を世に残しています。
さらに凄いのは、70以上もの未出版の原稿が残されていたこと。
彼女の姉妹、Roberta Brown Rauchが売ろうとして上手くいかず、杉のトランクに何十年もしまっておいたのですが、1991年ウォーターマーク社のエイミー・グレイが500枚以上のタイプ原稿を再発見し、これらの出版にとりかかったとされています。
エズフィール・スロボドキーナは、1940年の「おさるとぼうしうり」がつとに有名。
名前からするとロシア出身と思いきや、29歳の時にロシアから学生ピザでアメリカに移住してきて、1937年にマーガレット・ワイズ・ブラウンに出会ってから、絵本にイラストを描くようになったとのこと。
そんな二人の1953年の作品です。
物語は、
「Aは ALONE
ALONEは ひとり
こねこが ぽつん
ニャ〜と なく」
というAから始まります。
AからZまで続きますが、どれも、マーガレット・ワイズ・ブラウンらしいリズミカルなもの。
読み聞かせに相応しい作品と言えるでしょう。
絵も、ぼくを中心にした日常生活を描いたものが中心なので、親しみを持って見ることができるもの。
色合いが一寸暗めの感がありますが、くっきりとした輪郭の絵なので、問題ないでしょう。
ABCの絵本って、今までも沢山ありますが、やはり文章がリズミカルなものに限ります。
そうした意味合いからすると、合格点の絵本だと思います。
(ジュンイチさん 40代・パパ 男の子12歳、男の子6歳)
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