10歳のマーベンは、生きのびるために北の大森林へ向かった。木材の伐採現場で会計係を務め、成長する少年の姿を描いた美しい絵本。
1918年の冬にインフルエンザが流行したミネソタ州ダルースの町。10歳の少年・マーベンは木材伐採現場に疎開することになります。
読み聞かせをしているのには気がつかなかったのですが、この少年だけでも生き残る道を見つけたいという親の思いは、ユダヤ人でロシアからアメリカへ移住してきていることと関係がありそうです。
今はインフルエンザでも即効性のある薬があり、死にいたる病気ではないので、息子も「インフルエンザで?どうして?」という思いだったようです。
マーベンは、木材伐採現場で帳簿の手伝いをしたり作業員たちを朝起こす仕事をしたりします。
ちょうど息子が今10歳、マーベンのようなたくましさが果たして育っているのかはわかりませんが、どんな状況でも自分なりに道を開いて歩いて行ってくれたらと思いました。
厳寒の場所で過ごすこと、子どもでも仕事をすること、マーベンがこの短い疎開の中で学んだことは多かったことと思います。
ジャン・ルイとマーベンとの友情にもぐっとくるものがありました。
今は読み聞かせが盛んになってきて、小学校のでも読み聞かせだと15分ぐらいまで。
この本は、読み聞かせをすると30分はかかってしまうし、10歳ぐらいからだと絵本に手をのばさないお子さんも出てくると思うのですが、読み応えがある絵本なので、高学年のお子さんに薦める機会があればいいなあと思いました。
10歳の少年が主人公で冬の話ということで、『ピートのスケートレース』が浮かびました。併せて読んでみると、10歳周辺のお子さんはわくわくした気持ちになるのではないかと思います。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子9歳)
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