施設で暮らすヒルベルと呼ばれている男の子。ヒルベルの深い喜びや恐れは、誰にも理解されない。社会の不条理を鋭くつく作品。
父親を知らず、生まれるときに頭を傷つけたために知的障害をおってしまったヒルベル。
母親からは里子に出され、ついには施設に入れられてしまったヒルベル。
そんなヒルベルの生きざまに心打たれました。
知的障害といえ、ヒルベルは考える頭と心を持っています。
嫌なことをされたら、反抗心も湧いてくるし、自分の望みをかなえるためにいろいろな努力をしていきます。
ヒルベルになりきった視点で描かれる物語。
哀しい境遇でありながら、ヒルベルの生き方に圧倒されます。
ヒルベルという名は本名ではなく、彼の障害を揶揄したようなあだなであることにも、作者の痛烈な社会批判を感じました。
その後のヒルベルがどうなったか、考えさせられることにもとても大きな意味を感じました。 (ヒラP21さん 50代・パパ )
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