今日は節分。保育園のみんなでかくれんぼをしています。 ところが弱虫のタカシはツヨシに無理やりオニにされちゃいます。 「もういいかーい?」「まあだだよ」「もういいかーい?」 「もういーよ!」タカシが目を開けると、なんと目の前に現れたのは本物のオニの子キッチ。 キッチはタカシにツヨシがいじめっ子なのは“リンリンボウ”というオニがついちゃっているからだと教えてくれます。 そこで、二人は一緒にリンリンボウをやっつけようと握手をします。キッチに手を握られると、タカシはいつのまにかキッチと同じオニの子の姿に…!? さあ、ツヨシについてしまったリンリンボウを二人はどうやってやっつけるのでしょう。
いばりんぼうだったり、いじめっ子だったりする子には“オニ”がついているって、言われてみればこれは本当にあることかもしれない!一方、弱虫くんだって、オニの力をかりちゃえばどんなことだってできる?オニっていうのは、こんな風に案外もっと身近なところに存在しているのかもしれない。うまく付き合っていけば子どもたちの味方になってくれるかも…なんて考えていくとちょっとワクワクしてきますよね。だってほら、リンリンボウのいなくなったツヨシの表情はあんなにも晴れやかになって!
「節分」をテーマにしながら、こんなユニークな物語を考えちゃうのは、「ケロポンズ」としても大活躍されているますだゆうこさん。いつも子どもたちと触れているからでしょうか。登場するどの子にもますださんの愛情あふれる視線を感じてしまいます。そして、やっぱり「節分」をテーマにしながら、こんなにも可愛くて楽しそうな絵本にしてしまっているのは「colobockle(コロボックル)」主催のたちもとみちこさん。色鮮やかで表情豊かなオニたちの顔は真似して描いてみたくなっちゃいます。 そんな人気者コンビで生まれたシリーズが「ますだゆうこ&たちもとみちこの絵本」。どの作品も季節の行事をテーマにしながら、独自の物語とワクワクするような絵が子どもたちを夢中にさせてくれます。更に、物語の各所に行事の豆知識が自然に織り込まれているのも大きな特徴。本作はシリーズ5冊目。もちろん「節分」の由来や迎え方、料理や遊び方まで充実した内容がたっぷり楽しめます。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
弱虫タカシの所へやってきた小鬼のキッチは…
節分の日、弱虫タカシの所へ小鬼のキッチがやってきました。タカシはキッチと、いじめっこになってしまったツヨシの所へむかいます!
節分の前によむのに、ちょうどいい1冊です。
オニにとりつかれて、自分勝手になっちゃったトオルを大笑いさせて、オニを追い出す。まさに、笑う門には福きたるですね。
お話もおもしろかったけれど、絵本の要所要所にある節分まめ知識や、オニの豆入れの作り方、レシピがのっているのがすごくいいですね。
これ作ろう。やってみたい!と子どもの節分に対するモチベーションがあがりました。
(みっとーさん 30代・ママ 男の子5歳、女の子4歳)
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