草原で男の子が木の根もとに座っていると、 地面がぐわりともりあがります。 木とともに歩き出した男の子は、 大地と空と海と、人間と、あくしゅして、つながって……。
彫刻家でもある作者は、東日本大震災による津波でアトリエに設置していた彫刻 作品をすべて失いました。3.11から2年が経ち、東日本大震災も福島第一原 発事故も、まるで何ごともなかったかのように風化しそうな気配の中、3度目の 春がめぐってきました。すべてを失い、分断され、壊れていくように見える世界 でなお、大地と海と空と、人間と、つながり、愛し続けたい。 「3.11を決して忘れない」―決意を新たにする1冊です。
3.11東日本大震災の津波で、愛犬と自宅、アトリエを失った彫刻家による作品。
公園の木の根元にいた少年が、不思議な生き物と一緒に体験したことを描きます。
出会うのは、大地や海、空の「手」。
少年はそれぞれと握手し、ついには女の子と出会うのです。
作者は、あとがきで、「今も豊かに繋がり続ける魂たち」と題して、
繋がりについて言及しています。
そう、握手って繋がりの象徴なんですね。
小さい子からも理解できる握手ストーリーですが、
その奥の真意を理解できるのは、小学校高学年以上でしょうか。
かなり大人っぽい作品だと思います。 (レイラさん 40代・ママ 男の子19歳、男の子17歳)
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