例えば「秋の公園」というと、どんな音が聞こえてくるのでしょう。 目をつぶって皆さんも想像してみてください。
さわん さわん さわさわさわさわさわ これは、風が吹いて金色やまっ赤に紅葉したもみじさんが、空に飛び出している音。 ぽとん ことん ぽとん ことん これは、大きな木からどんぐりくんがおっこちている音。 ひゅるるるるるる そのうち、冷たい風が吹いてきて…
「きせつのおでかけえほん」シリーズは、歌人・東直子さんと画家・木内達郎さんが言葉と絵で季節の風景を印象的に描き出していく作品です。お二人の感覚を通して、私たちはその季節の空気感を絵本の中で体感できるのです。
新作『さわさわ もみじ』では、美しく舞い散るもみじの葉っぱの音に耳を澄ませているうちに、地面に落ちてまた飛ばされていくもみじの姿を目で追っていくうちに、確かにそこには「風」の存在が浮かび上がってきます。冬へと向かっていく秋の風はひんやりとして、でも身体に心地よく吹きつけます。 少し切ない気持ちになる季節の秋。 でも、この絵本の中に登場するもみじやどんぐりの表情は、それはそれは楽しそう。 空高く飛び上がったり、誰かの顔にはりついてみたり、タイヤの陰にかくれんぼしてみたり。 この感覚を一番共有しているのは、きっと子どもたち。いつでも自由に走り回る子どもたちは風と仲良しですからね。
このシリーズの絵本を読むたびに、季節の楽しみ方を改めて思い出させてくれます。今すぐ、外の空気に触れたくなってきました。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
さわんさわん、さわさわさわ、ひゅるるるるるる。赤・黄・茶と色とりどりのもみじが、さわやかな秋の風に乗り、いろいろな表情を見せてくれます。歌人・東直子さんと画家・木内達朗さんによる「きせつのおでかけ絵本」。第5作目となる本作のテーマは「秋」。秋の野山を訪れたくなる絵本です。
なんだか不思議な感覚に陥ってしまいます。
絵なのにとってもリアルに感じるんです。
絵本の中に秋の空気が漂っていて、いまにももみじが飛んできそうな感覚になります。不思議ですが、絵本を開いたとたん秋がそこにあるような。
すっかりこのシリーズにハマってしまいました!
もみじさわさわは風の感じがすごくリアルに体感できるようでお気に入りです。 (えりこママさん 20代・ママ 女の子0歳)
|