コソボの少年シュケルゼンと妹セブダイエの暮らす大家族を中心に、破壊から再建へ向かう人々の生活を追った写真集。85点を収録。
日本図書館協会選定図書
中学2年生にブックトークしてきました。
この作品では、紛争の続くコソボのある家族を中心に描いていました。
この子たちの名前がとっても意味があって素敵で、目を惹きました。
主人公のシュケルゼンは“きらめき”という意味の名前、
妹のセブダイエは“幸福”という意味、まだあかちゃんの二人の妹(?)の名は、ミルサデ“幸運”っていうんですって〜。
この子たちのお父さんとお母さんは、子どもたちに夢と希望と愛情を持って命名したんだろうな〜と、感じました。
この写真絵本は全て白黒で、シュケルゼン達の普段の様子を写真に撮ってあり、そばにちょっとした説明がついてるだけです。
最後に作者のコソボでの感想や全体的な説明が載っていますが、写真だけでも十分に伝わってくるものがありました。
元気に飛び回っている子どもたちの姿もあります。
でも、やはり背景には壊れたか建物が写っていました。
コソボの紛争が激化したのが1996年、この作者(写真家)の長倉さんは1996年6月にコソボへ行き、写真を撮っていたそうです。
そしてこの写真絵本が出版されたのが2000年9月。
この写真がとたれた背景を詳しく知りたい人は最後の作者の後書きを読むといいと思います。
私がこの後書きの中ですごいな〜と、思ったのは、シュケルゼンのお母さんのセリフで、
「家族が健康であればいい。他のものは後からついてくる」
私たちにほんの母親でももちろんこういうことは考えますが、まさにギリギリの生活環境の中で、生きている人の言葉は重いです。
ぜひ、たくさんの子供たちに手に取ってもらいたい1冊です。
小学校の高学年くらいからいかがでしょうか? (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子18歳、女の子13歳)
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