「おいしくなあれ」 おじさんやおばさんが、いっぱい声をかけてくれて、 すくすく育ったぼくはほうれんそう。 「いただきます!」「おいしい!」っていう声を楽しみに待っていたんだ。 でも、ぼくは食べてもらえません。
わたしはうしです。 栄養たっぷりのわたしのおちちが自慢です。 でも、わたしのおちちは飲んでもらえません。
それは、ある日突然やってきた。 色もない、香りもない、形もない、音もない。 見ただけではわからない、ナニカ。
突然断ち切られた、ほうれんそうたちの想いとは。 怒りとは。悲しみとは・・・。
「日本のこどもを守りたい。地球上のこどもたちを守りたい。 未来のこどもたちに、心配の種を残しておきたくない。」
医者であり、作家である鎌田實さんと、絵本作家である長谷川義史さん。 ふたりがしっかりとタッグを組んで、 2011年3月11日に起きた事故のこと、 いっしょうけんめい生きていたほうれんそうのこと、 これからの地球のこと、 こどもたちに正面きって伝えたい、 そういう熱い気持ちで取り組まれたのがこの絵本です。
今、何が起きているのか。 どんな事を考えなくてはいけないのか。 ふたりの「強い想い」を感じながら、親子で話ができることを願います。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ぼくらは生まれてきて、大きくなって、『いただきます!』を楽しみに待っていたんだ……。とつぜん断ち切られた、ほうれんそうたちの想いとは……。原子力発電所の事故でうまれてしまう、哀しみ痛みの深さは底しれない。今も未来もこどもたちを泣かせたくない、守りたい、医師・作家である鎌田實と、絵本作家である長谷川義史。がっちりタッグをくんで、ふたりいっしょに、今こそどうしても伝えたい届けたい、強く熱いメッセージ。
我が家の5歳の息子は大きな地震がおきて津波がおきてたくさんの人が死んでしまったといことは知っています。しかし原子力発電所で事故がおきたこと、放射能のことはわかっていません。でもこのほんをきっかけとして少しだけわかったかもしれません。ほうれんそうをはじめ、牛のおちちもお米も魚も食べれなくなったのは放射能のせいだと。まだまだエネルギーのことも分からないし 放射能のこともよく分からなくても 大変なことがおこったんだとわかるだけでこの本をよんだ価値があると思いました。 (マオルーンさん 30代・ママ )
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