子どもの頃、このお話を読んでとても悲しかったのを憶えています。しかし、何度となく読んでいた本でした。「てぶくろをかいに」を、最初に読んで黒井健さんのすばらしい絵に感動し、数あるごんぎつねの中から購入するならと迷わずこれを選びました。
本棚にしまって私が楽しんでいたのですが、兄が読んでと持ってきたので少し迷ったのですが(兄はとても感受性が強い子なので)読むことにしました。ジーッときいていたのですが、最後のごんが兵十に殺される場面で涙をぽろぽろ流して、「兵十が悪い、なんでなんで」ととても悲しませてしまいました。
この物語は、読む年齢やそのときの自分の状態によって、解釈のしかたがさまざまで自分でもいろんな発見があることに驚かされたのですが、兄にも忘れられない絵本になったようです。読んだ夜中に突然目ざめて、「兵十のばか。なんでごんを・・・。」と泣きながら何度もくりかえし言っていました。もう少し大きくなったら、次はどんな感想がでてくるか楽しみです。