表紙のイラストに一目ぼれした下の娘が手に入れた本です。
あんびるやすこさんの作品などが大好きで、かわいいもの小物を作ったり、見たり、お料理したりする本にはフラフラ〜っと、引き寄せられるんですよね。
ただ、読み始めて第一声は「想像してたの違う〜。」でした。
というのも、同じ年頃くらいの女の子(主人公・ルル・ベイカー)が、楽しく何かを作るお話だと思っていたら、初っ端からまるでシンデレラのような境遇の、ルルの打ち明け話から始まるのです。
楽しい話だとばかり思っていたうちの子には、始まりは、ちょっと重たい話でした。
でも、出てくる登場人物たちは、しっかりと描かれているし、原作がいいのか、翻訳がいいのか(翻訳は露久保由美子さん)文章が大変読みやすいので、読み始めるとすいすい読めてしまいます。
「かわいそうな境遇」と書きましたが、ルルは、そのかわいそうな境遇と、自分の力で立ち向かっていきます。そのルルを助けてくれるのは、亡くなったお母さんがルルのために用意しておいてくれた「魔法の料理本」でした。
女の子が主人公の、ドキドキ冒険(家の中の)活劇です。
後書きの訳者の言葉が印象的でした。
『ピンチの時にあきらめてしまうのは簡単だけど、あきらめずに何とかしようと思い続ければ……、その先には何かがあるのかもしれません。』
この本はまさに、この言葉を物語にしたようなお話でした。
小学校中学年くらいから、中学生くらいまで楽しめそうです。