すずめを追い払うのが役目のかかしじいさんと、すずめの心のふれあいを描いた一作です。
黒井さんが取材して描いただけあって、田んぼの中のかかしの存在感がとてもよく出ていて風景が手に取るように感じられました。
かかしのおじいさんの独り言のようにお話が進みますが
すずめに対する気持ちの変化が胸を打ちます。
さいごに「明日は来るなよ」と叫ぶ場面は、切ないですね。
うちの近くには田んぼがないので、こどもたちは案山子がピンとこなかったようですが
おじいさんの気持ちには同調していました。
昔から稲作をしている日本ならではでの、素敵な絵本だと思います。