冒頭にインドに伝わるジャータカの再話とあります。
ジャータカを調べてみました。
こうした背景を理解して読むのと読まないとでは雲泥のさがあります。
「ジャータカは本生経とも漢訳される仏教の説話です。
ジャータカという物語は、過去(前世)のよい行いをした人物(動物の場合もあります。)を引き合いに出して現在の人物を戒めたり、褒め称えたりしてそのよい行いを教えさとすべく説かれた経典です。
ジャータカはいわば童話・寓話の類で他の仏教経典に比べればかなり読みやすいものです。」
原題は、「Rumor」
心配がりやのノウサギが、世界が壊れると勘違いして走り出したら、回りの動物達もそれを信じて、一緒に走り出します。
1000頭単位というのが実に迫力あります。
でも、一匹のライオンだけは、世界が壊れるのを見たものがいるのか?疑問に思って問いただすのです。
真実を見極めないで、噂を鵜呑みにして行動することの危うさを伝えてくれる絵本です。
どの動物が釈迦なのか、子供に問いかけながら読み聞かせすると良いと思います。
枠に飾られた絵は、如何にも仏教経典を彷彿させるものですが、鮮明な色あいなので絵に引き込まれることでしょう。
登場する動物の表情もとても豊かなので、ページ一杯に描かれた動物達の姿を見るだけでも楽しいものです。
奥の深い絵本といえそうです。