主人公の少年は、ある朝はやく、お父さんと川に釣りにでかけます。お父さんが出掛けに言った「空や、風をつかまえよう」の言葉どおり、二人は「吹きぬけていくそよ風と、空の切れはしと、ぺらぺらの黄いろい太陽」を釣り上げます。
声に出して読むと、より一層良さがわかる本。父親と子どもが言葉を交わしながら心のつながりを深めていきます。父親は自分が子どもだったころを思い出し、子どもは父親が子どもだったことを知り、二人のきずなが強まっていく、そんな様子が繊細に描かれています。
子どもを自然の中に連れ出すのは、父親の役割の1つだなと改めて思った一冊です。