かつて「鳩よ!」という雑誌を購読していました。
そこで伊藤比呂美という詩人を知りました。
恋人宛イラスト付きの葉書が何枚も載ったことがあって
絵も言葉もレイアウトも今の時代ならまさに「イイネ!」
母となった伊藤比呂美さんの育児エッセイ『おなか ほっぺ おしり』には大いに笑わせてもらい励まされもしました。
その伊藤比呂美さんの絵本ですって…
こんな自分より背の高い草の中にいる私を
覚えている気がします。
知らなかった名前の草も聞いたことがある草も
もう、もさもさと生えて伸びて私を隠してゆれる。
サルビアの蜜も分けてもらったし
おしろいばなでも遊んだし
子どもの頃の夏がここにありました。
お盆の頃にはセミがあおむけで死んでる。
ちょっと前まで喧しいほどないてたし、
道に落ちてて「死んでる?」ってつつくと
「じじっ」と動いて驚かせられたのに。
ともちゃんが待ってくれてたなっちゃんちの庭
鶏頭、鳳仙花、朝にはラッパだった朝顔はしぼんで。
畑にはトマトとトウモロコシ、里芋の葉っぱかな?
なんて夏らしい庭でしょう。
「ガーデニング」なんて言葉がなかった頃の夏の庭。
生命力にあふれ、けれど気持ち安らぐ夏の庭です。