きつねの子が見つけた「きいろいばけつ」。
持ち主がわからないので、仲良しの友達と相談して、一週間様子をみる事に・・・。
きつねの子は、朝から晩までうっとりバケツを眺めたり、
一緒にお昼寝をしたり、自分の名前をバケツに書く真似をしたり・・・。
そんなある日、バケツはとうとう無くなってしまって・・・。
きつねの子にとっては宝物のようなバケツ。
でも・・・
『いいんだよ、ほんとうに』
ときっぱり言い切る事ができたのは、
バケツが自分のものになった事を想像して「つもりごっこ」をした時間こそが、
きつねの子にとっての宝物だったからなのでしょうね。
きつねの子の愛らしさ・いじらしさが胸に迫って、
「このバケツをきつねの子のものにしてあげたい!」
という思いでいっぱいになり、バケツがなくなる場面では、切なくなります。
でも、
『いいんだよ・・。』
と笑ってみせるきつねの子の姿に大切な事を、教わったように感じます。
目に見えないもの・手で触れる事のできないものの中にある、
ほんとに幸せな時間を過ごしたきつねの子。
そんな時間を、たくさんの子ども達に感じてほしいと願います。