![みどころ](/images/shoukai_midokoro.gif)
木も草も、小さな花や虫も、おひさまのやわらかな陽射しのなかでうれしそうな春。 たんぽぽやシロツメクサの咲く草の中から、ぴょこんと顔を出したのは、かあさんうさぎ。 そしてつづいて小さな鼻をひくひくさせてあらわれたのは…かわいいこうさぎでした。 「かあさん、これが はるの におい?」 「そうよ、とっても いい においでしょう?」
こうさぎは、かあさんうさぎに優しく誘われて、春の野原へ踏み出します。 あっちへぴょん、こっちへぴょん。 おいしい葉っぱを探したり、のねずみやバッタと出会ったり。 土を掘ったり…ちょうちょを追いかけて高いところから落っこちたり!
さこももみさんが描く、春爛漫の景色の中、こうさぎが春のよろこびに浸る姿が心にひたひたと幸せをくれます。 危険なこともあるけれど、うさぎには強い牙も、するどい爪もないけれど…。 「うさぎで うれしい わたしたち わたしは うさぎ うさぎは うさぎ」
野原や森での素敵な時間にさよならを告げて、おうちに帰るとき。 夕暮れの光の中を、うさぎのお母さんとこうさぎは走ります。 「うさぎは はしる はしる はしる わたしは うさぎ うさぎは うさぎ」
うさぎの春の一日があざやかに描かれた絵本。 危険を避けて逃げこんだ暗い森の中、こうさぎのおびえた様子から、暗さに目と耳がだんだん慣れ、森に親しんでいく変化の場面も素敵です。 うさぎがうさぎであるよろこび、いのちが輝く一瞬、一瞬が描かれた、愛らしくもうつくしい絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
巣穴から外に出てきたばかりのこうさぎは、かあさんうさぎが歩きだすと、あっちへぴょん、こっちへぴょこんと、おかあさんの後に続きます。野原でごちそうを食べたり、高いがけを飛び降りたり、木陰でお昼寝したり……。 ところが、たいへん! 空に、2ひきをねらうトンビのすがたが! つねにかあさんうさぎの後ろを走っていたこうさぎですが、豊かな一日を過ごし力をつけた後には、かあさんうさぎより先を走るようになります。豊かな子育て、たしかな成長が描かれる一冊です。
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
『わらう』など、さこももみさんのかわいらしいイラストが大好きなので、こちらも読みたいと思いました。
うさぎの親子の仲睦まじい様子が、優しく語られる絵本。
詩のような短い文章なので、あっという間に読めるのですが、うさぎの親子のいろんな表情をゆっくり見たくて、いつまでもページを開いていたくなる絵本です。
うさぎの軽やかで温かくて、優しい雰囲気が画面いっぱいに感じられて、幸せな気分になりました。 (クッチーナママさん 50代・ママ 女の子20歳、女の子17歳、男の子15歳)
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