ねえ、ぼくのうちにくるまえ、きみは どこにいたの? なんてなまえでよばれていたの? おきにいりのばしょは あったの?
この絵本は、主人公の「ぼく」が保護施設から新しくもらうことになった犬に問いかける形で展開します。
「ぼく」はまだ名前もつけてない犬に対して知りたいことばかり。 どんな人に飼われ、どんな家に住み、どんな日常を送っていたのか、どんな人たちに愛されていたのか、愛されていなかったのか、どんな経緯で自分の家で飼われることになったのか・・・。 答えが返ってこなくても、犬に向かって、ひたすら問いかけ想像します。
なぜなら、今、目の前にいるこんなにも可愛い犬が、手放され施設に保護されたなんて、信じられないからです。
保護され、殺処分される犬や猫は年間8万3千匹にも上るそうです。(巻末訳者あとがきより) 描かれている犬と僕の表情がなんとも愛くるしく、それらの悲しい事実を対照的に浮き立たせています。 犬を飼うことの責任や、幸せと喜びを教えてくれる絵本です。
(福田亜紀子 元絵本編集者)
男の子の家にもらわれた子犬は、ひとりぼっちでさまよっていた保護された子犬。
「きみが うちに くるまえ、だれかが きみを てばなしたんだ。」 「きみは ながいこと にげまわって、みつけたものは なんでも たべて、 それでも おなかを すかせてたって。」
どんなつらい生活をしていたのか、ひとりになる前はどんな人に飼われていたのか…… 今はもうわかりません。 男の子は、子犬の過去に思いをはせて、その気持ちを分かち合おうとします。
保護された子犬をもらってきた男の子の、優しくあたたかい心情を描きます。
『だいすき ぎゅっ ぎゅっ』や『おすわりくまちゃん』で大人気のアメリカのイラストレーター、デイヴィッド・ウォーカーの絵本です。 翻訳は絵本作家、翻訳家として活躍されている木坂 涼先生。
以前、あすなろ書房さんより2007年に刊行、絶版になっていた同タイトルの絵本が、新たに岩崎書店から刊行となります。
7歳小学校1年生の娘が図書館で一人読みしました。
犬を買うことになった男の子が「きみがうちにくるまえはどうしていたの?」と素朴な疑問を抱くお話です。
保護される環境にある犬たちがいることを知るきっかけになる絵本に思いました。人間が他の生き物たちと上手に共存していくことの大切さも考えさせられますね。 (まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子7歳)
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