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「光と闇」の真実――。カラヴァッジョ評伝の決定版
バロック美術の礎を築いた革新者でありながら殺人を犯したならず者……。 巷に流布する「カラヴァッジョ神話」から、作風や生き様をわかりやすく光と闇にたとえ、評するのは容易だが、それはほんとうに正しいのか? 生涯をかけ作品に触れてきた西洋美術史の第一人者が、過去の伝記から最新研究まで丹念にひも解き、その時代の社会的背景に基づく現実的な解釈を加えながら実像に迫っていく。
カラヴァッジョは「魔性の画家」だといったが、実際、彼は美術史家たちを悩ませてきた。 カラヴァッジョをめぐる問題は、ある美術史家がいったように、しばしば「頭がおかしくなるほど」判断に迷うのだ。 カラヴァッジョという画家とその作品は、正反対の解釈や評価さえ平然として飲み込んでしまうようなところがあり、文字通り一筋縄ではいかないのである。 (本書「あとがき」より)
【目次】 序章カラヴァッジョの真実 二つの壁 第一章ロンバルディア 領民と徒弟 第二章ローマ 美術市場とパトロン 第三章ローマ 革新と名声 第四章ローマ 剣と絵筆 第五章南イタリアとマルタ島 放浪と死 終章カラヴァッジョの真実 一つの答え 註 参考文献 付録資料1 ガスパレ・チェーリオの「カラヴァッジョ伝」 付録資料2 カラヴァッジョの家財目録 あとがき カラヴァッジョ作品一覧 人名索引
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