![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
なぜ国を離れなくてはならなかったのか。どうやって日本にたどりついたのか。本書は、日本に暮らす「難民」とよばれる人たちがたどってきた道のりを、故郷の料理に宿された記憶からひもとくノンフィクションです。「難民」とは、紛争や人権侵害などから自分の命を守るためにやむを得ず母国を追われ、逃げざるを得ない人たちのこと。テレビやネットなどで「難民」という言葉はよく見聞きしますが、海をへだてたどこか遠くの国に存在している人たち、と思いがちです。でも現実に、2018年に日本で難民申請をした人びとは1万493人もいます。それに対して、同じ年に難民認定を受けたのは、わずか42人です。なぜこのようなことになるのでしょうか。何らかの事情で国を追われ、命からがら日本に逃れてきた人びとは、先が見えない不安の中、尊厳と希望をもって生きていかなくてはなりません。それには、日本の社会のなかで受け入れられることが必要です。まずは私たちが難民について「知る」こと、無関心でいないことが大切なのです。 <目次> 1章.シリア・穏やかな「日常」の香り / 2章.ミャンマー・キッチンから笑顔を運ぶ / 3章.ロヒンギャ・ロヒンギャと日本のかけ橋に / 4章.ネパール・拷問から逃れて日本へ / 5章.バングラデシュ・家族との再会を夢見て / 6章.カメルーン・引き裂かれた母と娘 / 7章.カンボジア・内戦を生きぬいた味
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
自国で命の危険に晒され、日本に難民として来日した人たちを取材。現地のそれぞれの事情、日本に入国するまでの経緯、日本での生活、難民申請の厳しさなど。
この本では、シリア、ミャンマー、ロヒンギャ(民族)、ネパール、バングラデシュ、カメルーン、カンボジア、クルド人(民族)が紹介されている。それぞれの地域での社会問題、命の危険に晒された時の状況、難民として国外に逃げなければならなかった状況など、込み入った内容が非常にわかりやすくまとめられている。
外国の話だけではない。
入国した先(日本)での難民申請の厳しさ、入国の難しさ、生活の厳しさ。子どもは日本の学校でいじめにあうし、大人は非常にわかりにくい仕組みのためにまともに働くこともできず、路上生活を経験したりするなどの過酷な状況に置かれる。
日本での「難民」の存在や、理解は殆どない。
もしこれが自分の事だったら、どうしようか?と思いながら読み、何度も涙した。世界にはまだまだ理不尽な人権侵害や、意味不明の決まりなどがはびこっていることを、知る。
私たちは未来をどのようにしたいか。どのような状況なら幸せと言えるのだろうか。それを考えさせられる一冊。
大事なことなので、人生の早い時期に是非読んで、知っておきたい。 (渡”邉恵’里’さん 40代・その他の方 )
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