詩人・絵本作家、内田麟太郎さんのはじめての詩画集。 おおらかなイマジネーションで詩に応えるのは、初絵本『おなみだぽいぽい』(ミシマ社)が注目される後藤美月さんです。
詩「みどり」から始まり、“ほにょみ はにょみこ ふにゃりこへ にゃこ”……と、力の抜けた擬音語の「こえにだしてよむし」、内田さんを少年詩の世界へ誘い込むターニングポイントとなった詩、“へへへへ……”の「なみ」。 詩集『うみがわらっている』『まぜごはん』(ともに銀の鈴社)や、『しっぽとおっぽ』(岩崎書店)などから詩が選ばれています。
「ほっきょく」の、母のぬくもりへの思い。 「楕円軌道」の余韻の中の、飛翔感。 親しみやすく、へんてこで、わけがわからなく、でも通底するさびしさがあり、どこか思いやりに満ちた……内田麟太郎さんの詩の世界。 詩のページと絵のページが、それぞれ交互に現れる構成となっているため、詩と絵を行ったり来たりしながら、1冊の詩画集を味わえます。
少年の傷つきやすい心を、ユーモアでくるんで蓋をして抱えたまま、長年作家としての道を歩みつづけ、ちょっとずつ蓋を開けて……ついに夢だった詩画集にたどりついた内田麟太郎さん。 あとがきで「80歳にしてはじめての詩画集」への思いを語っています。 『ともだちや』(偕成社)や『がたごと がたごと』(童心社)などの人気シリーズ作家の、もうひとつの顔を知ることができます。
何歳になっても、本棚に置いておいて、そっと開きたい。 人が心に持つ宝石のような石ころを、そっとのぞかせてくれるような、たたずまいがみずみずしく美しい詩画集です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
内田麟太郎さんはじめての詩画集を刊行。叙情溢れる詩、ユーモアたっぷりの詩…日本語の魅力がつまった詩の数々に、後藤美月さんが力強く、想像が広がるような絵で応えます。
内田麟太郎さんの初の詩画集ということをしり、読んでみました。内田さんの詩に、きれいな色の絵がぴったりで、素敵な本だなあと。思わず、見入ってしまいます。「なみ」では、くすっと笑ってしまいました。元気をもらえるような詩画集です。贈り物にしたいと思います。 (あんじゅじゅさん 50代・その他の方 )
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