ここは森の宅配便センター。今日はヤギがお客さんとしてやってきました。 「おいしい草がたくさん採れたので、おばあちゃんに届けてください」 受付けをしたカンガルーのるーこさんが発送の準備で荷物のそばを離れた隙に…… 「ぼくもお届けものになろうっと」 ストン! るーこさんの子ども・かんちゃんが、箱の中に入ってしまったのです。
荷物はるーこさんから、運び手のくまたろうさんの手に渡り……そのまま出発! ふたりともかんちゃんが中に入っていることにまったく気がつきません。 一方のかんちゃんは、箱の中でわくわくどきどき。歌なんかうたって、とっても楽しそう。 くまたろうさんから引き継いだ荷物はクジラのくじろうさんが海の上を運び、ワシのわしこさんによって空を渡ってどんどん運ばれていきます。 あれあれ、荷物は、かんちゃんは、どこまで行ってしまうの……!?
楽しいおはなしを通してテーマになっているのは、宅配便。コロナ禍もあって暮らしの中で宅配便を利用する機会はぐんと増えましたよね。読み聞かせの講演会で全国を駆け回る作者の聞かせ屋。けいたろうさんも、その一人。たくさんの絵本を詰めた重たいトランクを運んでくれる配達ドライバーさんへの感謝が、この絵本を作るきっかけとなったそうです。 「大きい荷物、小さい荷物、どれも大事なお届けもの」 くまたろうさん、くじろうさん、わしこさんが荷物を運ぶときのかけ声に、いつもお世話になっている配達員さんの姿が重なります。
送り主が荷物にのせた想いも一緒に運んでくれる宅急便、配達員さんに、ありがとうの気持ちが芽生える一冊。かさいまりさんによるぬくもり溢れたイラストも魅力的です。ぜひ、読み聞かせにも!
(竹原雅子 絵本ナビライター)
くまたろうさん、くじろうさん、わしこさんが荷物を運びます。合言葉は「大きい荷物、小さい荷物、どれも大事なお届けもの!」あらっ、箱の中から声がします。こっそり箱に入っていたのは、かんがるーのかんちゃんです。そして……? 荷物を運ぶ人たちのがんばりを描きます。読み聞かせにもピッタリです!
3歳半の息子と読みました。
カンガルーのカンちゃんと一緒に宅配便の荷物になって冒険に出発です。山、海、空と色んな動物に運ばれていきますが、絵がとても綺麗で親にも刺さりました。
最後にお母さんのところに帰ってきて『あらまっ!』と驚かせる場面が特に好きなようで、大袈裟に、あらまっ!というたびにクスクス笑っています。
最後までワクワクしながら読み切り、何度も読んでとせがまれています。 (のの1111さん 30代・ママ 男の子3歳)
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