
ここは瀬戸内海の島。石の名産地です。高くそびえ立つ崖から大きな石を切り出すと、船にのせ、大阪へ。 運びこまれた石は、大阪城の石垣に使われるのです。 観音ページを使った、迫力ある構成です。

大阪城に行ったのはもう随分以前のことになりますが、
石垣に巨大な石が使われていたのは、うっすらと記憶にあります。
記憶に残るくらいの巨石といっていいでしょう。
では、そんな巨石がどこから、どのようにして運ばれてきたか、
鎌田歩さんの絵本『巨石運搬! 海をこえて大阪城へ』は
そんな疑問に答えてくれる作品です。
絵本の判型にはなっていますが、大人が読んでも十分面白い。
NHKなんかでよく放送されているドキュメンタリーを見ているようで、
なかなか迫力ある造型になっています。
巨石は瀬戸内海にある小豆島から運ばれたそうです。
絵本ではまずこの島の巨石の切り出しの様子を描きます。
この絵本の素晴らしいところは、折り返しのページがあって、
広げると時間が経過した別のさまが見れることです。
例えば、切り出しはじめたあと、折り返しのページを広げると
ドーンと巨石が割れているさまが見れるという仕掛けです。
これが最後の大阪城到着まで続きます。
一番目をひいたのは、この巨石を船に積み込むシーンでしょうか。
こういう光景はなかなか見ることができません。
この運搬には実にたくさんの人たちが関わっていたようですが、
この人たちにはこういった大規模な事業に関われていることの喜びもあったようで
そのあたりもこの絵本ではしっかり描かれています。 (夏の雨さん 70代以上・パパ )
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