”中学生の昭夫は、事故で父さんを失い、居酒屋をはじめた母さんを手伝って厨房で働いていた。ある日、昭夫は厨房の小窓から、銀色に光る少女の後ろ姿を見つける。その後少女はたびたび店にあらわれるが……。少年と少女の出会いを幻想的に描いた美しい作品。”
不慮の事故で父親を失った母子が始めた小さな居酒屋。
厨房から客席を除いていた少年の昭夫に、不思議な少女が目に留まります。
母親には見えない少女に、昭夫はあこがれ、心惹かれます。
いつの間にかに女らしく成長していく少女の幻影は、少年の恋心のせいでしょうか。
宇野亜喜良さんの描く女性の姿はなんだかニンフのようです。
少年を訪れる父親のまぼろしが、少女は両親が離婚して父親の下をさった京子というクラスメイトだと教えます。
その父親と店を出ていく、京子はなんだかつれあいのように妖艶に描かれています。
思春期の背伸びした感じの作品。
「薔薇をさがして…」のタイトルは象徴的ですが、薔薇にはとげがあることを意識しているのでしょうか。 (ヒラP21さん 50代・パパ )
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