![みどころ](/images/shoukai_midokoro.gif)
アグラ山の動物たちから信頼され、いつも患者が絶えない名医のキダマッチ先生。ある日、珍しく患者が来ないと思ったら、どうやらアグラ山の向こうに新しくできた病院が評判になっている様子。
けれども患者が来ないならと、キダマッチ先生は、ふだんはなかなか時間がなくてできない趣味に朝から晩まで没頭します。キダマッチ先生は歌をうたうのが大好きなのです。しかし歌いすぎたせいで声が出なくなってしまい、偵察も兼ねて、新しくできた病院で診てもらおうと出かけることに。顔見知りの患者とはちあわせしては気まずいので、シャツで背中の水玉をかくし、メガネをかけ、ぼうしをかぶり、変装して‥‥‥。
山のふもとに見えてきたのは、ピンクのかべのしゃれた作りの建物。受付にはまっ白いネコがファッションモデルさながらに待ちうけ、中に入ると問診ロボットがお出迎えです。病院は混んでいて2時間も待たされました。そうしてようやく対面した、医者の姿とは? またその診察はどんな様子だったのでしょうか。
児童文学作家の今井恭子さんによる絵本シリーズ「キダマッチ先生!」の第7弾。奥さんや息子さんなどプライベートではやや難を抱える親しみ深さもありながら、仕事に関しては、どんな症状でも必ず治す腕は確かで、仕事は常に順調だったはずのキダマッチ先生。本作では、初のライバルが出現するという異例の事態にキダマッチ先生がどのように対処するのかがみどころです。
また、本シリーズの大きな魅力のひとつでもある、岡本順さんの挿絵は、本作でもユーモアいっぱい。絵をすみずみまで眺めていると、絵に隠されたキダマッチ先生の暮らしぶりや秘密が知れたり、キダマッチ先生の感情が伝わってきます。とくに、キダマッチ先生の変装や、患者になったキダマッチ先生の様子、最新技術を誇るオコジョ病院の様子など見応えたっぷりですので、ぜひ挿絵も合わせてお楽しみください。
子どもから大人まで幅広い年代の方におすすめの「キダマッチ先生! 」シリーズ。とくに子どもたちには、絵本からちょっとステップアップして、読み物に挑戦してみようという時期におすすめです。また、巻ごとの発見や楽しみもありますので、ぜひシリーズで楽しんでみてくださいね。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
アグラ山の向こう側に、新しい病院が出来ました。 のどの調子が悪いキダマッチ先生は、受診がてら新しい病院に偵察に出かけてゆきます。 待合室は、なんだか見知った顔ばかり。 ロボットの問診のあと、さんざん待たされ、呼ばれた診察室にはオコジョの院長が…。 キダマッチ先生にライバル出現です!
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