![みどころ](/images/shoukai_midokoro.gif)
ある夏の日。 一人で暮らすバイオリン弾きのおじいさんのもとに、一匹のミツバチがやってきました。 おしりの黒い線の一本がなぜか銀色なので、名前は「ぎん」。 ぎんがはげしく羽を震わしたその音は、バイオリンの音にそっくりなのです。 ぎんは言いました。
「この くさはらの はなが かれるころ わたしの いのちも おわりです。 たいせつな みつを くれた はなたちに おれいの おんがくを おくりたいのです」
ぎんは、花たちのために演奏する曲を学ぶため、 天気のいい日は毎日バイオリン弾きのもとに通いました。 演奏する曲に耳を傾けて、ときどき曲に合わせて羽を動かし、音を鳴らして…。
そこには、信頼に満ちた幸せな時間が流れていました。
しかし、突然ぎんが姿を見せなくなりました。 心配になったバイオリン弾きが、ぎんを探して雑木林の奥で見たものは――
大きな喪失を伴う悲しい物語に、大人も子どもも、きっと心揺さぶられることでしょう。
大切な人を失う喪失感、 志半ばで命が尽きてしまう無念さ…。
とても悲しみの大きい物語なのに、読み終わった後、不思議と心が温かくなるのはきっと、 おぐらひろかずさんが描く絵に、光があふれているから…。
タイトルの「ミツバチぎんのおくりもの」にある、ぎんがくれた「おくりもの」って何だったんだろう?と、話し合ってみるのもいいかもしれません。
(洪愛舜 編集者・ライター)
![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
バイオリン弾きのおじいさんはひとりぼっち。ある日、1匹のミツバチがやってきておじいさんに羽でひけるバイオリンの曲を教えてほしいと言います。ミツバチは一生懸命、練習を重ねますがある日突然、姿を見せなくなってしまいます。
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
おじいさんのバイオリン弾きとミツバチの交流を描いた作品です。
おしりに銀色の線があるので、ミツバチの名前はぎん。
バイオリン弾きをまねて、羽でバイオリンの音を出せるようになるのですね。
その練習の原動力が、短い命の残りをかけて、
お世話になった花たちにお礼の音楽を届けたいとのこと。
その誠実な生き方に感銘を受けました。
ところが、志半ばにぎんは死んでしまいます。
その死因もまた、ぎんの生き方そのもの。
でも、その遺志は、バイオリン弾きによってかなえられるのですね。
音楽が取り持つ交流が力強くもあります。
小学生くらいからでしょうか。 (レイラさん 50代・ママ )
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