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列車の進行の背景に、それぞれの人の生活の様子が描かれています。町を横断して走り続ける列車は、時間の象徴でもあり、人々は同じ時間を共有して生きています。現実の世界では一人一人の生活すべてをそれぞれが知ることができないように、この絵本でも描かれている人がどんな人で何をしようとしているのかは何も語られていません。列車という時間軸を中心に、人々の暮らしが交差している様子を、自由に想像して楽しむ絵本です。

同じ作家さんの作品『でんしゃにのったよ』『くるまにのって』がとてもよかったので、こちらも読みたいと思いました。
前出の2作は男の子が電車や車に乗ってお出かけするお話でしたが、今回はあくまでもれっしゃと、その列車が走る町並みの様子がメイン。
引っ越しがあったり、待ち合わせがあったり、お仕事していたりと、描きこまれたサイドストーリーを追うのも楽しいです。
読み聞かせよりも、一人でじっくり読むと楽しい絵本かなと思いました。 (クッチーナママさん 50代・ママ 女の子20歳、女の子17歳、男の子15歳)
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