
<五感のえほん>シリーズ第7弾は、『いのる』 詩人で作家の森崎和江が著した、日常の中にある“祈り”を生活者の視点で描いた、暖かなおはなし。 戦後シュールレアリスムの第一人者・山下菊二との豪華共演を存分にお楽しみください!
あきおの むらの うみの かみさまは おんなの かみさまです なまえは「おいわずさま」と いいます うみの まんなかの ちいさな たかい しまに いらっしゃるのです とおくて ここから みえません
『いのる』という行為は、とても神聖でとても身近なものです。 宗教性がうすいと呼ばれる日本でも、私たちは知らず知らずのうちに、お祈りを日常的な行為として行っています。 本作には2017年の世界遺産の登録候補にもなっている、『神宿る島』宗像(むなかた)・沖ノ島と関連遺産群にも関連する「お言わず様」という古来からのしきたりも作中に登場しています。

これは「五感のえほん」シリーズ7です。
「五感のえほん」シリーズ5でも紹介したように、このお話は5巻の続き、その後のおはなしになっています
。ただ、画家さんが太田大八さんから、こちらの7巻では山下菊二さんに代わり、お話全体のイメージがかなり違って見えます。
一番大きな違いは、時系列的には5巻のすぐ後の物語のはずなのですが、ひろし(5巻の主人公)や7巻の主人公のあきお(ひろしの友達)が、かなり小さな子として描かれているところでした。
だから、ひろしのお姉ちゃんの結婚式のところは何だか変な感じ化しました。
こちらの物語では
漁師の息子「あきお」が主人公で、海が荒れた日に漁に出たお父さんの無事を“いのる”ことがテーマなので、その部分はものすごく丁寧に描かれていました。
山下さんの描く海や船の絵もすごく見ごたえがありました。
何より表紙絵、素晴らしいです。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子21歳、女の子16歳)
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